名古屋市内で店舗売却や居抜き売却のご相談を受けていると、 「地下にある店舗でも居抜きで売却できますか」 「8坪程度の小さな飲食店にも買主は見つかりますか」 「造作代金を設定して募集してもよいでしょうか」 というご質問をいただくことがあります。
地下店舗は、1階路面店に比べて通行人から店内が見えにくく、 初めて来店するお客様に入口を認識してもらう工夫が必要です。
一方で、駅から近く、看板を設置でき、 既存の内装や厨房設備を活用できる店舗であれば、 地下店舗でも十分に出店候補になります。
今回は、今池駅から徒歩1分の場所にある、 地下1階、約8.16坪のカレー店居抜き店舗が どのような点を評価され、成約につながったのかをご紹介します。
実際の店舗売却、居抜き売却の成約事例をもとに、 店舗名、建物名、詳細住所、前テナント名など、 個別の店舗を特定できる情報は一部伏せて再構成しています。
今池駅徒歩1分のカレー店居抜き成約事例
今回の物件は、名古屋市千種区今池1丁目周辺にある 地下1階の飲食店居抜き店舗です。
地下鉄東山線・桜通線の今池駅から徒歩約1分。 店舗面積は26.96平方メートル、 坪数にすると約8.16坪でした。
店内にはカウンター席とテーブル席があり、 少人数で運営しやすいコンパクトな店舗構成でした。
| エリア | 名古屋市千種区今池1丁目周辺 |
|---|---|
| 物件種目 | 地下1階貸店舗、飲食店居抜き |
| 最寄駅 | 地下鉄東山線・桜通線 今池駅 徒歩約1分 |
| 所在階 | 地下1階 |
| 契約面積 | 26.96平方メートル、約8.16坪 |
| 従前業態 | カレー店 |
| 賃料 | 月額78,000円 税別 |
| 共益費 | 月額47,250円 税別 |
| 保証金 | 賃料12か月分、償却50パーセント |
| 造作譲渡 | 250万円 税別希望、相談可能 |
| 看板掲載費 | 月額10,600円 税別 |
| 契約形態 | 定期建物賃貸借契約5年 |
今回の店舗売却が成約につながった理由
地下店舗の居抜き売却で重要なポイント
入口と看板の見え方を確認する
地下店舗では、道路から店舗入口や看板がどのように見えるかが重要です。
駅から近くても、入口が分かりにくい場合は、 建物入口、階段、エレベーター付近の案内表示が必要になります。
今回の店舗では、看板掲載費が別途必要となる条件でした。 買主には賃料や共益費だけでなく、 看板費を含めた毎月の固定費を説明する必要があります。
共益費を含めた実質的な固定費を見る
今回の賃料は月額78,000円税別でしたが、 共益費は月額47,250円税別、 看板掲載費は月額10,600円税別でした。
賃料だけを見ると抑えられた条件に感じますが、 共益費と看板掲載費を加えると、 毎月の固定費は月額135,850円税別となります。
居抜き店舗を募集する際は、 賃料のみを強調するのではなく、 共益費や看板費などを含めた総額を 買主へ分かりやすく伝えることが大切です。
換気と排気の状態を確認する
地下の飲食店では、におい、熱、煙を外部へ排出するための 換気設備や排気経路が重要になります。
現在の業態で使用できていても、 次の借主が油や煙の多い業態を希望する場合は、 既存設備では能力が足りない可能性があります。
買主の業態に応じて、 排気ダクト、換気扇、給気、空調、 グリストラップなどを確認する必要があります。
避難経路と消防設備を確認する
地下店舗では、避難経路、誘導灯、 消火器、火災報知設備などの確認も重要です。
席数や内装工事の内容によっては、 消防署への届出や設備の追加が必要になる場合があります。
買主が希望するレイアウトや業態を確認し、 契約前に消防設備業者や所轄消防署へ 相談することが望まれます。
買主が内覧時に確認していた内容
小型の飲食店居抜きで確認されやすい項目
- カウンターと厨房の作業動線
- 客席数と席間の広さ
- 冷蔵庫、製氷機、シンクなどの設備状態
- 電気容量、ガス容量、給排水設備
- 換気扇、排気ダクト、空調設備
- 地下店舗への入口と案内看板の位置
- 避難経路と消防設備
- 造作譲渡の対象と撤去予定品
- 共益費や看板費を含めた月額負担
- 定期借家契約の期間と再契約条件
居抜き店舗は、内装や設備が残っているだけで そのまま営業できるとは限りません。
買主の業態によっては、 厨房設備の交換、ガス工事、排気設備の増設、 看板工事、客席レイアウトの変更などが必要になります。
内覧時には、良い部分だけを伝えるのではなく、 使用年数、不具合、追加工事の可能性も説明することが、 契約後のトラブル防止につながります。
造作譲渡250万円をどのように考えたか
今回の募集時の造作譲渡希望額は、 250万円税別でした。
造作譲渡金は、売主が店舗へかけた工事費だけで 決められるものではありません。
買主が既存の内装や設備をどの程度使えるか、 修理や追加工事が必要か、 残りの契約期間をどのように考えるかによって、 評価は変わります。
今回は定期建物賃貸借契約5年であり、 普通賃貸借のように当然に更新される契約ではありません。
買主は、造作代金だけでなく、 契約期間中に初期投資を回収できるかという点も確認します。
造作譲渡で明確にしておく内容
- 譲渡対象となる内装、設備、什器、備品
- 売主が撤去する物品
- リース品、レンタル品、貸与品の有無
- 設備の故障、不具合、使用年数
- 現況渡しとする範囲
- 造作代金の支払時期
- 賃貸借契約が成立しなかった場合の取扱い
- 契約終了時の原状回復義務
居抜き売却では、 店舗内一式という曖昧な表現だけで進めず、 譲渡対象を一覧にして確認することが重要です。
定期借家5年の店舗で買主へ説明すること
今回の賃貸借契約は、 契約期間5年の定期建物賃貸借契約でした。
定期建物賃貸借契約は、 契約期間の満了により契約が終了することを前提としています。
契約満了後も営業を続けられるかは、 貸主との再契約が成立するかによります。
そのため、買主には、 契約期間、再契約の可否、 再契約時の条件、原状回復義務を 契約前に十分説明する必要があります。
造作代金や追加工事費が大きい場合は、 5年間の営業で投資を回収できるか、 売上計画と資金計画を慎重に検討する必要があります。
今池エリアの店舗事情
今池は、地下鉄東山線と桜通線が利用でき、 名古屋駅、栄、千種方面へのアクセスに便利なエリアです。
駅周辺には、飲食店、居酒屋、バー、 ライブハウス、商業施設、住宅が集まり、 昼と夜の両方で人の動きがあります。
飲食店の競合は多い一方で、 目的来店を作ることができれば、 地下店舗や上階店舗でも営業を検討できます。
カレー、ラーメン、専門料理店、 小規模居酒屋、バーなど、 業態や商品が分かりやすい店舗は、 駅近地下店舗とも相性があります。
今池で店舗売却を進める際は、 単に駅から近いと伝えるだけでなく、 駅の出口から店舗入口までの経路、 看板の位置、周辺店舗、営業時間帯の人通りなどを 買主へ伝えることが大切です。
店舗売却で重要だった貸主・管理会社との調整
居抜き売却は、売主と買主が造作譲渡に合意するだけでは成立しません。
新しい借主が貸主の審査を受け、 新たな賃貸借契約を締結できることが前提になります。
貸主や管理会社は、 出店業態、営業時間、におい、煙、音、 排気設備、資金計画、運営経験などを確認します。
特に地下店舗では、 共用部の使用方法、看板掲載、 排気経路、消防設備などについて、 建物全体との調整が必要になる場合があります。
買主が見つかる前に、 居抜きでの引継ぎが可能か、 相談できる業態や営業時間に制限があるかを 貸主側へ確認しておくことが重要です。
今回の成約までの流れ
-
賃貸借契約と解約条件の確認
定期借家の契約期間、解約予告、原状回復義務、 造作譲渡に関する条件を確認しました。
```
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貸主、管理会社へ居抜き譲渡を相談
現在の内装や厨房設備を残し、 次の借主へ引き継げるか確認しました。 -
譲渡対象と造作希望額を整理
内装、厨房設備、家具、什器、備品を確認し、 造作譲渡希望額を設定しました。 -
募集条件を整理
駅徒歩1分、地下1階、約8坪、 賃料、共益費、看板費、契約期間をまとめました。 -
買主募集と内覧対応
客席、厨房、換気、給排水、入口、看板位置などを 現地で確認してもらいました。 -
造作代金と追加工事の調整
買主の希望業態と追加工事費を確認し、 造作条件について協議しました。 -
申込みと貸主審査
出店業態、営業時間、資金計画、運営経験を 貸主と保証会社へ説明しました。 -
賃貸借契約と造作譲渡契約
譲渡対象、代金、引渡日、設備状態、 契約期間、責任範囲を明確にしました。
```
現場で見てきた本音|地下店舗は弱点を隠さず条件を整理する
地下であることを隠したり、 賃料だけを安く見せたりすると、 内覧後に条件の認識違いが生じます。
今回のように共益費や看板費が別途必要な場合は、 最初から月額負担の総額を伝えることで、 買主が現実的な収支計画を立てやすくなります。
また、約8坪の小型店舗は、 客席数が限られる一方、 少人数運営や専門店との相性があります。
店舗の弱点と強みを整理し、 どのような業態と運営方法に向いているかを 分かりやすく伝えることが成約につながります。
地下の小型店舗で伝えるべきポイント
- 駅出口から店舗入口までの経路
- 入口と看板の視認性
- 賃料、共益費、看板費を含む月額負担
- 客席数とスタッフの動線
- 厨房、換気、排気、給排水の状態
- 避難経路と消防設備
- 既存造作を利用できる業態
- 定期借家の契約期間
- 造作譲渡の対象と価格
- 貸主が相談可能な業態
まとめ|今池駅徒歩1分の地下店舗は立地と小型店の運営しやすさが成約のポイント
今回の今池エリアのカレー店居抜き店舗は、 今池駅徒歩1分、地下1階、約8.16坪という条件でした。
地下店舗ではありましたが、 駅から近く、カウンター中心の小型店舗として 少人数運営を想定しやすい点が評価されました。
また、既存の厨房や内装を活用できる可能性があり、 スケルトンから新しく店舗を作る場合と比べて、 初期費用と開業準備期間を抑えられることも 成約につながった要因です。
一方で、共益費、看板費、 保証金の償却、定期借家5年という条件については、 買主へ正確に説明する必要がありました。
店舗売却や居抜き売却では、 良い条件だけを伝えるのではなく、 毎月の固定費、契約期間、設備状態、 追加工事、貸主承諾まで整理することが重要です。
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