居抜き売却で設備が壊れていても売れる?現況渡し・故障設備の注意点

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2026年10月16日

居抜き売却で設備が壊れていても売れる?現況渡し・故障設備の注意点

居抜き売却で設備が壊れていたら売れる?現況渡しと故障設備の考え方を解説

飲食店やカフェ、居酒屋、バーなどを居抜きで売却するとき、 よくご相談いただくのが、 「厨房設備が一部壊れているのですが、それでも居抜きで売れますか?」 という質問です。

冷蔵庫の冷えが弱い、製氷機が動かない、エアコンの調子が悪い、食洗機が故障しているなど、 長く営業している店舗では設備に不具合があることも珍しくありません。

結論からいうと、 設備が一部故障していても、居抜き売却できる可能性は十分あります。

ただし重要なのは、 「故障している設備があること」そのものよりも、 その状態を買主へきちんと伝え、何をどの条件で引き渡すのか明確にすること です。

今回は、名古屋・愛知で店舗売却・居抜き売却・造作譲渡を扱う株式会社サンコー不動産が、 故障設備がある店舗を居抜きで売却するときの考え方、 現況渡しの意味、造作価格への影響、契約時の注意点について実務目線で解説します。

1.結論|設備が壊れていても居抜き売却できる

まず知っておきたいのは、 居抜き店舗の設備がすべて新品同様である必要はない ということです。

居抜き売却で取引される厨房設備や空調設備、什器等は、 基本的にはすでに営業で使用されてきた中古設備です。

そのため、

  • 傷や汚れがある
  • 年式が古い
  • 多少性能が低下している
  • 一部設備が故障している
  • 交換を前提としている設備がある

という状態でも、買主がその内容を理解したうえで購入するのであれば、 造作譲渡を進められる場合があります。

「故障設備がある=居抜きで売れない」ではありません。
重要なのは、設備状態を正しく整理して買主へ説明することです。

2.買主は設備だけを見ているわけではない

居抜き店舗の価値は、 厨房設備だけで決まるわけではありません。

買主は、

  • 立地
  • 賃料
  • 保証金などの初期費用
  • 店舗の広さ
  • 内装
  • 厨房レイアウト
  • ダクト・給排水
  • 電気・ガス容量
  • 客席数
  • 出店可能な業種

などを総合的に見ています。

例えば製氷機が故障していたとしても、 店舗全体の内装、厨房、ダクト、給排水、ガス設備などがそのまま使えるのであれば、 買主にとって十分魅力のある居抜き物件になることがあります。

逆に、厨房設備がすべて動いていたとしても、 家賃が高すぎたり、 次に入れる業種が極端に限定されていたりすれば、 買い手が見つかりにくくなる場合があります。

3.故障設備は3つに分けて考える

居抜き売却を進める際は、 単純に「使える・使えない」だけではなく、 設備状態をある程度分けて整理すると分かりやすくなります。

設備状態 考え方
正常に使用中 現時点で通常使用できている設備。ただし中古品のため将来の故障まで保証するものではありません。
不調・要確認 冷えが弱い、異音がする、時々止まるなど、使用できるものの不具合が確認されている設備。
故障・使用不可 現在使用できない設備。修理・交換・撤去が必要になる可能性があります。
動作未確認 長期間使用していないなど、現在の動作状態を確認できていない設備。

特に、 「動作未確認」と「正常に使える」は別 です。

長期間使用していない設備について、 確認せずに「使用可能」と伝えてしまうと、 引渡し後のトラブルにつながる可能性があります。

4.「現況渡し」とはどういう意味?

居抜き売却では、 「現状有姿」「現況渡し」 という条件で設備を引き渡すことがあります。

簡単にいうと、 引渡し時点の現在の状態で設備や造作を引き渡すという考え方です。

中古の厨房設備の場合、 新品のように一定期間の性能を保証することが難しいため、 現況渡しとするケースがあります。

例えば、

業務用冷蔵庫 現在稼働中
製氷機 現在稼働中
食洗機 故障中・使用不可
エアコン 稼働中だが年式不明

という状態であれば、 この内容を買主へ説明し、 買主が現地で確認したうえで譲渡条件を決めます。

「現況渡し」と書けば、故障を説明しなくてよいという意味ではありません。
売主が把握している重大な不具合や故障については、契約前に買主へ伝えておくことがトラブル防止につながります。

5.故障を知っているのに伝えないのは危険

例えば、 売主が 「製氷機はもう動かない」 と知っていたにもかかわらず、 買主には何も伝えず、 設備一覧にも「製氷機あり」とだけ記載したとします。

買主が、 「製氷機も使用できるものとして造作価格を判断した」 という認識だった場合、 引渡し後にトラブルになる可能性があります。

そのため、設備表には、

設備 状態 備考
業務用冷蔵庫 使用中 中古・現況渡し
製氷機 故障 修理・交換は買主判断
食器洗浄機 動作未確認 現地確認要
エアコン 使用中 年式不明・現況渡し

といった形で、 分かっている範囲を整理しておくと安心です。

6.故障設備があると造作価格は下がる?

設備の内容によっては、 造作譲渡価格へ影響する可能性があります。

特に影響しやすいのは、 買主が営業開始時に必ず必要となる高額設備です。

例えば、

  • 業務用冷凍冷蔵庫
  • 製氷機
  • エアコン
  • 大型オーブン
  • 食器洗浄機
  • 厨房排気設備

などです。

仮に造作300万円で募集していて、 買主が現地確認したところ、 冷蔵庫とエアコンの交換に100万円以上必要と分かった場合、 造作価格の減額交渉につながることがあります。

一方で、 設備が壊れていても、 買主がもともと自分で新品へ交換する予定であれば、 価格への影響が小さいこともあります。

つまり、 故障設備の価値は、次の買主がその設備を必要としているかどうかでも変わります。

7.修理してから売るべき?そのまま売るべき?

故障設備があると、 「修理してから募集した方が高く売れるのでは?」 と考える方もいらっしゃいます。

もちろん修理した方がよいケースもありますが、 必ずしも先に修理する必要はありません。

例えば、 古い製氷機を20万円かけて修理しても、 次の買主が新品に交換するのであれば、 その20万円が造作価格にそのまま上乗せできるとは限りません。

そのため、実務では次の3つを比較します。

対応 向いているケース
売主が修理して引渡す 修理費が比較的小さく、買主にとって重要な設備の場合
故障したまま現況渡し 買主が状態を理解しており、自分で修理・交換する場合
造作価格を調整する 修理費相当を考慮して価格交渉で整理する場合
先に修理費をかける前に、 「次の買主が本当にその設備を使うのか」 を考えることが大切です。

8.契約前に動作確認をしてもらう

設備トラブルを減らすためには、 買主にも契約前に設備状態を確認してもらうことが重要です。

可能であれば、

  • 冷蔵庫が冷えるか
  • 製氷機が稼働するか
  • エアコンが作動するか
  • 給湯器が使用できるか
  • ガス機器が点火するか
  • 換気扇・ダクトが稼働するか

などを現地で確認します。

また、設備の写真や動画を残しておくと、 引渡し時の状態を双方で確認しやすくなります。

9.設備リストを作成しておく

居抜き売却では、 設備が多いほど 「何が売買対象なのか」 「どの設備が故障しているのか」 という認識違いが起きやすくなります。

そのため、 造作設備一覧を作っておくことをおすすめします。

設備一覧では、

  • 設備名
  • 数量
  • メーカー
  • 型式
  • 年式
  • 所有区分
  • 動作状況
  • 譲渡対象かどうか

などを、分かる範囲で記載します。

すべての型番や年式が分からなくても、 「年式不明」「動作未確認」など、 分からないことを分からないまま記載する方が安全です。

10.リース品・レンタル品は故障以前に所有者確認が必要

設備が壊れているかどうかと同じくらい重要なのが、 その設備を誰が所有しているか です。

例えば、

  • 食洗機
  • 製氷機
  • POSレジ
  • カラオケ機器
  • コーヒーマシン
  • 決済端末

などは、 リース・レンタル・貸与品の場合があります。

第三者所有の設備であれば、 売主が勝手に造作譲渡代金へ含めることはできません。

11.造作譲渡契約書で設備状態を整理する

売主と買主の条件がまとまったら、 造作譲渡契約書で設備の取扱いを明確にします。

例えば契約書では、

  • 中古設備であること
  • 現状有姿・現況渡しであること
  • 設備一覧を双方が確認したこと
  • 既知の故障設備
  • 引渡し後の修理・交換の負担
  • リース品等は売買対象外であること
  • 所有権移転時期
  • 引渡し時期

などを整理しておきます。

「厨房設備一式を譲渡する」 だけでは、 後から認識違いが生じる可能性があります。

12.契約後から引渡しまでに壊れた場合は?

設備トラブルで特に注意したいのが、 契約時には動いていた設備が、引渡しまでの間に故障するケース です。

例えば、

契約日 10月1日
引渡日 10月31日
10月1日時点では冷蔵庫が正常稼働
10月20日に故障

というケースです。

この場合、 誰が修理するのか、 そのまま引き渡すのか、 造作価格を変更するのかなどで揉める可能性があります。

そのため、 造作譲渡契約書では、 契約日から引渡日までに設備状態が変わった場合の取扱い についても決めておくと安心です。

13.「引渡し後すぐ壊れた」と言われたら?

中古設備である以上、 引渡し時には正常に動いていても、 数日後や数週間後に故障する可能性はあります。

そのため、売主・買主双方で、

「現在動いていること」と 「今後も故障しないこと」 は別であることを理解しておく必要があります。

中古設備について保証なしの現況渡しとするのであれば、 その内容を契約書に明確に記載し、 買主にも契約前に確認してもらいます。

一方で、 売主が把握していた重大な不具合を伝えずに引き渡すことは、 トラブルの原因になります。

14.故障設備を隠すより、最初から伝えた方が売りやすい

売主側からすると、

「故障していると言ったら、造作価格を下げられるのでは?」

と心配になるかもしれません。

しかし、 内覧時や契約直前に故障が判明した方が、 買主の不信感につながりやすくなります。

例えば募集時から、

製氷機:故障・交換推奨
冷蔵庫:現在使用中
エアコン:現在使用中・年式不明
食洗機:リース品のため譲渡対象外

と伝えておけば、 買主も修理・交換費を含めた資金計画を立てることができます。

結果として、 契約直前の値下げ交渉やキャンセルを防ぎやすくなります。

15.設備が古くても「壊す前に」居抜き売却を検討する

閉店が決まると、

「設備も古いし、どうせ売れないだろう」

と考えて、 先に厨房設備を撤去したり、 原状回復工事を始めてしまう方もいます。

しかし、 買主によっては設備そのものよりも、

  • 厨房区画ができている
  • ダクトがある
  • 給排水が整っている
  • ガス設備がある
  • 内装を活用できる

ことに価値を感じる場合があります。

厨房機器の一部が故障していたとしても、 スケルトンから店舗を作るより初期費用を抑えられるのであれば、 居抜き物件として十分検討対象になる可能性があります。

16.居抜き売却前に確認したい設備チェックポイント

設備に不具合がある店舗を売却するときは、 募集前に次の内容を整理しておくとスムーズです。

  1. 主要な厨房設備を一覧にする
  2. 現在使用できるか確認する
  3. 故障・不調・動作未確認を分ける
  4. メーカー・型式・年式を分かる範囲で確認する
  5. 自己所有・リース・レンタル・貸主所有を分ける
  6. 買主へ伝えるべき不具合を整理する
  7. 修理するか現況渡しにするか検討する
  8. 設備状態を写真や動画で残す
  9. 造作譲渡契約書と設備一覧へ反映する

17.まとめ|故障設備があっても居抜き売却を諦める必要はない

居抜き売却では、 設備が一部故障しているからといって、 すぐに売却を諦める必要はありません。

大切なのは、

  • 何が正常に動くのか
  • 何が故障しているのか
  • 何が動作未確認なのか
  • 誰が所有している設備なのか
  • 修理するのか現況渡しにするのか

を明確にすることです。

居抜き店舗の価値は、 厨房機器1台だけで決まるものではありません。

内装、厨房区画、ダクト、給排水、ガス、電気、立地、賃料など、 店舗全体を見て判断します。

設備に故障があっても、 買主がその状態を理解し、 造作価格とのバランスが取れていれば、 居抜きで引き継げる可能性があります。

「設備が古い・一部壊れているから売れない」と決めつける前に、 原状回復や設備撤去を始める前の段階で、 一度店舗全体の居抜き価値を確認することをおすすめします。

故障設備があっても、まずは居抜きで売れるか確認してみませんか?

株式会社サンコー不動産では、 名古屋市・愛知県を中心に、 店舗売却・居抜き売却・造作譲渡のご相談を承っています。

「冷蔵庫が古いけど売れる?」
「製氷機が壊れている」
「設備の年式が分からない」
「どれがリース品か分からない」
「修理してから売るべき?」
「この状態で造作はいくらくらいになる?」

という段階でもご相談いただけます。

店舗設備だけではなく、 内装・立地・賃料・契約条件・退去時期まで含めて、 居抜き売却できる可能性を整理いたします。

店舗売却・居抜き売却を無料で相談する

よくある質問

Q.冷蔵庫が壊れていても居抜きで売れますか?

売却できる可能性はあります。故障していることを買主へ説明し、現況渡しにするのか、修理して引き渡すのか、造作価格で調整するのかを契約前に整理することが重要です。

Q.設備が古い場合は造作価格が付かないですか?

設備の年式だけで造作価値が決まるわけではありません。内装、厨房区画、ダクト、給排水、立地、賃料など、店舗全体の条件によって判断されます。

Q.現況渡しなら設備故障を説明しなくても大丈夫ですか?

おすすめできません。売主が把握している故障や重大な不具合については、買主へ事前に説明し、設備一覧や契約書にも反映しておく方がトラブル防止につながります。

Q.設備は全部動作確認しないと売れませんか?

すべての設備を確認できない場合もあります。その場合は「動作未確認」「年式不明」など、確認できていないことを明確にして買主へ伝える方法があります。

Q.故障設備は売主が修理する必要がありますか?

契約条件によります。売主が修理して引き渡す方法、故障したまま買主が引き継ぐ方法、造作価格を調整する方法などがあります。契約前に双方で合意しておくことが重要です。

Q.契約後、引渡し前に設備が壊れた場合はどうなりますか?

契約内容によって取扱いが変わります。修理、代金調整、現況引渡し等について認識違いが生じないよう、契約日から引渡日までに設備状態が変わった場合の取扱いを造作譲渡契約書で決めておくことをおすすめします。

※本記事は居抜き売却・造作譲渡・中古店舗設備に関する一般的な考え方を解説したものです。設備の保証範囲、契約不適合、修理・交換負担等については個別の契約内容や設備状況によって異なります。実際の取引では、設備状態を確認したうえで売主・買主双方の合意内容を契約書等に明記することが重要です。

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