飲食店の居抜き売却で補助金はどうなる?返還・財産処分承認の注意点

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2026年10月29日

飲食店の居抜き売却で補助金はどうなる?返還・財産処分承認の注意点

飲食店の居抜き売却で補助金はどうなる?返還・財産処分承認の注意点

補助金で購入した厨房機器や内装設備は、そのまま譲渡できる?閉店前に確認すべき手続きと造作譲渡契約のポイントを解説します。

飲食店を閉店・移転する際、「補助金で改装した店舗を居抜きで売りたい」「厨房機器を次のテナントに引き継ぎたい」というご相談があります。

結論からいうと、補助金を利用した店舗でも居抜き売却は検討できます。ただし、補助対象財産の譲渡には事前承認や納付が必要になる場合があります。承認前に設備を売却・撤去すると、交付決定の取消しなどにつながるおそれもあります。

名古屋・愛知で店舗売却をサポートする株式会社サンコー不動産が、補助金の返還、財産処分承認、造作譲渡契約で押さえたい点を解説します。

ご注意:補助金のルールは制度、採択年度、公募回、交付規程によって異なります。具体的な承認の要否・納付額は、必ず利用した補助金の事務局に確認してください。

1.飲食店の居抜き売却と補助金の関係

居抜き売却とは、店舗の厨房機器、カウンター、空調、内装などを次の出店希望者に引き継ぐ取引です。スケルトン工事費用を抑えられたり、造作譲渡代金を受け取れたりする可能性があります。

ただし、店内の設備すべてを自由に売れるとは限りません。補助金で取得した財産、リース・レンタル品、貸主所有設備を区別する必要があります。

  • 補助金:どの制度・公募回で交付されたか
  • 取得財産:どの設備や工事が補助対象になったか
  • 処分制限期間:その設備を処分できる時期か
  • 貸主との契約:造作譲渡の承諾が必要か

「店舗の閉店」「賃貸借契約の終了」「設備の譲渡」「補助事業の廃止」は別々の手続きです。解約通知や買主への引渡しを急ぐ前に、全体の順序を確認しましょう。

2.補助金の「財産処分」とは?承認が必要なケース

補助金を使って取得・整備した一定の財産は、定められた期間内の売却、無償譲渡、廃棄、目的外使用などが制限されることがあります。こうした行為を「財産処分」といいます。

行為飲食店での例
有償譲渡製氷機や業務用冷蔵庫を次の借主へ売る
無償譲渡厨房設備を無料で引き継ぐ
廃棄・取壊し設備や補助対象の内装を撤去する
目的外使用補助事業以外の用途に設備を使う

「50万円未満なら自由」とは限らない

例えば事業再構築補助金では、取得または効用が増加した単価50万円(税抜き)以上の建物・機械器具・備品等が処分制限財産となります。ただし、この金額をすべての補助金に当てはめることはできません。

処分制限期間も一律ではない

「受給から5年経ったから大丈夫」と判断するのは危険です。対象資産や制度により期間が異なり、事業再構築補助金では法令上の耐用年数を準用します。交付規程や取得財産等管理台帳を確認してください。

重要:事業再構築補助金では、原則として「申請 → 承認 → 処分 → 報告 → 納付」の順序です。事前承認が必要な財産は、承認前に譲渡・撤去しないよう注意しましょう。

3.事業再構築補助金・持続化補助金などの注意点

制度の例確認する内容
事業再構築補助金設備・建物等の処分制限、事前承認、処分後の報告・納付、事業廃止等の手続き
小規模事業者持続化補助金補助対象の店舗改装・機械装置等、取得財産等管理台帳、処分承認の要否
ものづくり補助金等機械装置等の対象範囲、処分制限期間、事務局の承認条件
自治体独自の補助金営業継続条件、対象設備、返還・届出・承認の規定

持続化補助金の公募回によっては、税抜50万円以上の店舗改装工事などが処分制限財産の例として示されています。厨房機器だけでなく、内装工事も対象になり得る点に注意が必要です。

現在の募集要領ではなく、実際に受給した年度・公募回の交付規程で確認することが大切です。

4.飲食店を閉店すると補助金は全額返還になる?

居抜き売却したからといって、必ず補助金の全額返還になるわけではありません。一方で、対象設備の財産処分によって、受給した補助金の全部または一部に相当する金額の納付が求められる場合があります。

例えば事業再構築補助金では、対象財産の残存簿価相当額または時価(譲渡額)を基に、納付額が算出されます。造作譲渡価格だけを使って簡単に計算できるものではありません。

例:厨房設備を次のテナントへ譲渡する場合

設備導入費300万円のうち200万円の補助金を受給し、その設備を含めて居抜き売却するケースでも、「200万円全額を返す」「売却額の一定割合だけ返す」と一律には判断できません。対象財産ごとの価値と補助金の規定を確認します。

また、補助事業の中止・廃止、報告義務の不履行などは、財産処分とは別に問題になる場合があります。最終的な手残り金額は、造作譲渡代金から納付金、契約関連費用、未払賃料、原状回復費用なども考慮して試算しましょう。

5.補助金で購入した厨房設備・内装はどう確認する?

「厨房設備一式」「造作一式」として売却する場合も、補助対象財産は可能な限り個別に整理します。

  • 厨房機器:業務用冷蔵庫、製氷機、食洗機、オーブン、フライヤー等
  • 設備工事:空調、換気ダクト、給排水、電気工事等
  • 内装・造作:カウンター、厨房区画、客席、壁・床の改修等

それぞれについて、補助対象かどうか、取得価額、購入日、型番、所有者、写真、交付資料を照合します。補助金で購入していない設備、リース品、貸主所有物は別に区分しましょう。

なお、補助金事務局からの承認と、貸主による造作譲渡の承諾は別物です。補助金の承認が得られても、賃貸借契約上の制限がなくなるわけではありません。

6.補助金を利用した飲食店を居抜き売却する7ステップ

STEP 1|交付資料を確認

交付決定通知、補助金名、採択回、実績報告、取得財産等管理台帳を集めます。

STEP 2|設備一覧を作成

売却対象の設備をリスト化し、補助対象・対象外・リース品等に分類します。

STEP 3|補助金事務局へ相談

閉店予定日、譲渡対象、売却予定額を伝え、承認・届出・納付の要否を確認します。

STEP 4|貸主へ確認

居抜き譲渡の可否、原状回復義務、次テナントの審査条件を確認します。

STEP 5|買主募集と契約条件の調整

承認待ちの設備があることを伝え、譲渡条件と引渡時期を調整します。

STEP 6|必要な承認後に引渡し

財産処分承認と貸主承諾等を確認し、合意した条件で所有権移転・引渡しを行います。

STEP 7|処分報告・納付

制度に応じた報告・納付等の手続きを完了し、記録を保管します。

買主探しと申請準備を並行できる場合はありますが、承認前に対象財産の譲渡や買主による撤去工事を実施しないよう工程管理が必要です。

7.造作譲渡契約書に入れたい補助金の特約

補助金の承認待ちで契約を検討する場合、売主・買主の認識を一致させることが重要です。造作譲渡契約書(動産売買契約書)には、次の項目を検討しましょう。

  • 補助対象財産の名称・数量・売買対象範囲
  • 申請手続きの担当者と必要書類への協力
  • 承認取得を前提とする所有権移転・引渡し時期
  • 承認が遅延・不承認となった場合の協議、解除、返金
  • 補助金納付額の負担者、貸主承諾、賃貸借契約成立との関係
補助金の財産処分に関する特約文例(参考)

本売買対象物に補助金の交付を受けて取得または整備した財産が含まれ、当該財産の譲渡につき補助金交付機関等の事前承認を要する場合、売主は自己の責任において必要な承認手続きを行うものとする。当該財産の所有権移転および引渡しは必要な承認が得られた後に行うものとし、承認の遅延または不承認が生じた場合の取扱いについては、売主・買主間で書面により協議する。

※文例は一般的な参考です。実際の契約では、期限・解除権・支払済金員の返還・引渡し時期などを具体的に定め、専門家へ確認してください。

とくに「買主との賃貸借契約は始まったのに、設備の引渡しができない」という事態を避けるため、賃料発生日や内装工事開始日まで調整することが大切です。

8.よくある失敗と質問

失敗しやすいポイント

  • 補助金の利用を伝えずに造作譲渡契約を結ぶ
  • 無償譲渡なら承認不要と判断する
  • スケルトン解体なら補助金の問題はないと考える
  • 承認前に買主が設備を撤去・改装してしまう
  • 納付の可能性を考えず造作譲渡代金だけで収支を計算する

Q.補助金を使った店舗でも居抜き売却できますか?

A.検討できます。ただし、対象財産・処分制限期間・承認の要否・貸主の承諾を確認する必要があります。

Q.厨房機器を無料で譲れば申請不要ですか?

A.無償譲渡も財産処分となる制度があります。価格だけで判断できません。

Q.補助金の受給から5年経てば自由に譲渡できますか?

A.一律ではありません。財産ごとの処分制限期間を確認してください。

Q.買主が同じ飲食店営業を続けるなら大丈夫ですか?

A.同じ用途でも所有者が変わる譲渡は財産処分に当たる場合があります。

Q.承認前に売買契約だけ締結できますか?

A.承認取得を条件にする方法を検討できますが、承認前に処分が行われないよう、契約・支払・引渡条件を事務局と専門家に確認してください。

Q.補助金の資料が揃っていなくても相談できますか?

A.店舗売却のご相談は可能です。分かる範囲の資料を整理し、必要な事項は補助金事務局へ確認して進めます。

9.まとめ|解約通知・設備撤去の前に確認を

補助金を使った飲食店でも、居抜き売却で厨房機器や造作の価値を引き継げる可能性があります。ただし、売却・無償譲渡・撤去を進める前に、補助対象財産の特定、財産処分承認の要否、補助金の納付、貸主承諾を確認することが重要です。

名古屋・愛知で飲食店の閉店、移転、店舗売却を検討している方は、解約通知やスケルトン工事を決める前に、居抜き売却の可能性をご相談ください。

公式参考資料

※補助金の制度・採択回によって適用ルールが異なります。掲載内容は一般情報であり、個別案件の承認や納付金額を保証するものではありません。

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厨房設備の引継ぎ、造作譲渡、貸主への確認、次テナントの募集まで、店舗売却の進め方をご相談いただけます。補助金の個別判断は所管事務局への確認を前提に進めます。

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