親が認知症になったら実家は売れる?成年後見制度と不動産売却の注意点|名古屋

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2026年11月02日

親が認知症になったら実家は売れる?成年後見制度と不動産売却の注意点|名古屋

名古屋・愛知の実家売却・不動産買取ガイド

親が認知症になったら実家は売れる?成年後見制度と不動産売却の注意点

「親が認知症と診断された」「介護施設に入居するため実家を売りたい」「親の名義の家を子どもが売ってもいいの?」。こうした疑問でお悩みの方へ、判断能力の確認から成年後見制度、家庭裁判所の許可、不動産買取まで、売却前に知っておきたいポイントを解説します。

親が認知症になったからといって、実家を絶対に売れなくなるわけではありません。ただし、売買契約の内容を理解し判断できるかが重要です。判断能力が十分でない場合、家族が代わりに署名するだけでは売却できません。

親が自宅で暮らしている場合だけでなく、施設に入居して空き家となった場合でも、親名義の不動産には慎重な手続きが求められます。この記事では、名古屋市・愛知県で「認知症の親の家を売りたい」と考えている方に向けて、実務上の注意点を分かりやすく整理します。

最初に押さえる4つのポイント
  • 認知症の診断名だけで売買契約の可否が決まるわけではありません。
  • 売却の意思能力がない状態でした契約は、無効となります。
  • 法定成年後見人が本人の居住用不動産を売る場合、家庭裁判所の事前許可が必要です。
  • 不動産会社への直接買取でも、必要な法的手続きを省略できるわけではありません。

1.親が認知症になったら実家は売却できる?

不動産を売却するには、売主が売買の意味や金額、売った結果として所有権を失うことなどを理解し、自分の意思で判断できることが重要です。法律では、このような法律行為の意味・結果を理解し判断する能力を「意思能力」といいます。

認知症の診断=すべての売買契約ができない、ではない

認知症と診断されても、その時点で不動産売買の判断能力が一律に失われるわけではありません。病状や理解の程度、取引の内容などによって個別に考える必要があります。反対に、診断名がなくても、売買の意味を理解できない状態なら契約に重大な問題が生じます。

民法第3条の2では、意思表示をした時に意思能力がなかった法律行為は無効とされています。家族や不動産会社だけで安易に判断せず、医師の意見や司法書士・弁護士への相談も含めて進めることが大切です。なお、診断書があれば必ず売却できるというわけでもありません。

親の状況売却を進める際の考え方
売買の内容を理解し、自分で判断できる本人を売主として契約できる可能性があります。意思確認を慎重に行います。
判断能力の低下が疑われる売却を急がず、医師・専門家に相談し、適切な支援方法を確認します。
売買の意味を理解できない本人名義で安易に契約せず、法定後見制度などの利用を検討します。

2.親名義の家を子どもが勝手に売却できない理由

実家の固定資産税を子どもが払っていたり、長年管理を任されていたりしても、それだけで家を売る権限が生じるわけではありません。登記名義が親であれば、原則として親自身の有効な意思表示、または適法な代理権に基づく手続きが必要です。

「家族だから代理できる」は誤解

  • 子どもが親の実印や印鑑証明書を預かっていても、それだけで売却できません。
  • 親の名前を代わりに書けば契約できる、というものではありません。
  • 判断能力がない段階で新たに委任状を作っても、有効な代理権を成立させられるとは限りません。
  • 親族全員が売却に賛成していても、親本人の権利や意思を代替できるわけではありません。

また、本人の意思能力がある間に有効に作成された委任状であっても、代理権の範囲や現在の状況、本人確認に問題がないかを確認する必要があります。実務では、買主や登記を担当する司法書士も本人の意思・権限を確認します。

注意:売却できることと、代金を家族が使えることは別問題です。

親名義の家を売った代金は、基本的に親本人の財産です。家族の住宅購入費や相続人への生前分配を目的に、自由に使えるお金になるわけではありません。

3.成年後見制度とは?認知症の親の不動産を売るための仕組み

成年後見制度は、認知症などによって判断能力が不十分な方の権利や財産を守り、生活を支える制度です。本人の判断能力の程度などに応じて「後見」「保佐」「補助」の制度があり、必要な代理権や同意権などの範囲が異なります。

法定後見制度の後見・保佐・補助

種類判断能力の状態の目安不動産売却の注意点
後見判断能力を欠くのが通常の状態成年後見人が法定代理人として手続き。居住用不動産の売却には家裁の許可が必要。
保佐判断能力が著しく不十分本人の同意・保佐人の同意や、付与された代理権の範囲などを確認。
補助判断能力が不十分同意権・代理権の対象となる行為など、審判の内容を確認。

保佐人・補助人が代理権に基づいて本人の居住用不動産を処分する場合も、家庭裁判所の許可が必要です。実際の契約方法は、それぞれの審判内容や本人の状況によって異なります。

成年後見人を決めるのは家庭裁判所

子どもが「自分が後見人になる」と決めることはできません。申立ての際に親族を候補者とすることはできますが、家庭裁判所が本人にとって適任と判断した人を選任します。弁護士、司法書士、社会福祉士などが選ばれる場合もあります。

成年後見制度を使うと費用や継続的な管理が生じる

申立てに必要な費用に加え、専門職後見人等の報酬が本人の財産から支払われる場合があります。成年後見人には財産管理や家庭裁判所への報告などの継続的な役割があり、不動産を一度売って終わりにするためだけの手続きではありません。原則として本人の死亡などまで制度が継続する点も、利用前に確認しておきましょう。

4.成年後見人が実家を売るには家庭裁判所の許可が必要?

法定成年後見人が、本人の居住用不動産を売却する場合は、家庭裁判所の事前許可が必要です。これは民法第859条の3で定められており、許可を受けずに処分した場合、その処分は無効になります。

施設入居で空き家になった実家も対象になる

「現在は施設で生活しているから、実家は居住用不動産ではない」とは限りません。裁判所の案内では、現在住んでいる家だけでなく、入院・施設入居の前に住んでいた家や、将来住む可能性のある家も居住用不動産に含まれます。

一方、本人が一度も住んだことがなく、今後住む予定もない投資用不動産などは、居住用不動産処分許可の対象とならない場合があります。ただし、後見人の権限や後見監督人の同意など、別の確認が必要になることがあります。

家庭裁判所は何を確認する?

  • 実家を売却する必要性があるか
  • 本人の生活・介護・医療に支障が生じないか
  • 本人の帰宅希望や将来の居住可能性がどうか
  • 売却価格が不当に安くないか
  • 売却代金を本人のためにどう使用・管理するか

例えば、介護施設の費用や今後の生活費を確保するために売却を検討する場合は、収支状況や売却の必要性を説明できるようにしておくことが重要です。売却希望があっても、許可が必ず出るとは限りません。

名古屋で売却する場合の資料確認

居住用不動産の処分許可の申立てでは、売買契約書案、不動産の査定書、評価資料、登記事項証明書などが求められます。必要書類や手続きは担当する家庭裁判所の案内を確認してください。売却前に査定を取得しておくことが、手続きの準備につながります。

5.親が介護施設に入居した場合、実家はいつ売却できる?

親が施設に入った後、誰も住まなくなった実家の管理に悩む方は少なくありません。しかし、施設へ入居した事実だけで、家族に不動産を処分する権限が移るわけではありません。

売却する目的は「親本人の利益」が基本

売却が検討される場面として、施設費用・医療費・生活費の確保、空き家の維持管理負担、建物の老朽化などがあります。一方、子どもが将来相続する前に現金化したいという理由だけでは、本人の利益に沿った売却と認められるとは限りません。

帰宅の可能性や本人の希望も考慮する

現在施設で暮らしていても、本人が自宅に戻りたいと考えている場合や、将来の生活の場として必要になる可能性がある場合は慎重な判断が求められます。本人が表明できる希望を尊重し、介護状況や資金計画とあわせて検討しましょう。

空き家を放置した場合の負担

実家を所有し続けると、固定資産税、火災保険料、庭木の管理、修繕、防犯対策などの負担が生じます。遠方の実家では、定期的な現地確認も大きな負担になり得ます。だからこそ、売却するか、管理を続けるかを早めに相談することが大切です。

6.認知症の親の家を売却するまでの7つのステップ

  1. STEP1 登記名義と共有者を確認する登記事項証明書を取得し、親の単独名義か、夫婦・兄弟などとの共有名義かを確認します。
  2. STEP2 親の意思と判断能力を確認する売却の希望や理由を丁寧に聞き、必要に応じて医師・司法書士・弁護士等に相談します。
  3. STEP3 必要な支援制度を検討する本人自身で売却できるか、既存の有効な代理権があるか、法定後見制度などが必要かを整理します。
  4. STEP4 不動産査定と資金計画を作る仲介の売却見込額と買取査定額、修繕費、売却諸費用、今後の介護費用を比較します。
  5. STEP5 必要に応じて後見等の申立てを行う家庭裁判所へ申立てを行い、後見人等の選任や必要な代理権などの手続きを進めます。
  6. STEP6 居住用不動産の処分許可を取得する法定後見人による本人の居住用不動産の売却では、売却条件を整え、家庭裁判所の事前許可を得ます。
  7. STEP7 適法な契約・決済・引渡しを行う必要な権限・許可を確認したうえで、売買契約や代金決済、所有権移転登記、鍵の引渡しを行います。

成年後見等の申立てや居住用不動産の処分許可には、審理・書類準備の時間が必要です。通常の不動産売却と同じ日程で必ず進められるわけではありません。売却を希望する時期がある場合は、早めに相談しましょう。

7.認知症の親の家を売るなら仲介?不動産買取?

実家の売却では、一般の購入希望者を探す「仲介売却」と、不動産会社が直接買い取る「不動産買取」が主な選択肢です。親の病状や施設入居の状況、建物の古さ、売却希望時期などを踏まえて検討します。

比較項目仲介売却不動産会社の直接買取
買主一般の個人・法人など不動産会社
売却価格条件が合えば高値を目指せる再販費用等を考慮するため低めになりやすい
売却期間買主探しや内覧対応が必要条件が合えば比較的短期間で進めやすい
建物の状態清掃・修繕の希望が出る場合がある現況買取を相談できる場合がある
法的手続き意思能力・代理権・必要な裁判所許可の確認が必要同じく必要。買取だから省略できない

買取は手間を減らす選択肢。ただし許可は別問題

築年数の古い実家、残置物の多い家、遠方にある空き家などは、現況買取を相談するメリットがあります。ただし、直接買取であっても、売主の意思能力や適法な代理権、必要な家庭裁判所の許可の確認は欠かせません。

また、成年後見人が売却する場合は、買主が不動産会社であっても価格の妥当性が重要です。価格だけでなく査定根拠や売却の必要性を明らかにすることが大切です。

名古屋市・愛知県で実家の売却を検討される方は、サンコー不動産の不動産買取ページもご覧ください。

8.認知症の親の実家売却で避けたいトラブルと事前対策

注意① 判断能力がない状態で委任状を作成しない

形式的に署名・押印できても、委任の内容を理解できない場合は有効な委任が成立しません。家族で手続きを進める前に、専門家へ相談しましょう。

注意② 売却代金を家族の財産と混同しない

親の不動産を売却して得た代金は、親の生活・介護・医療など本人のために適切に管理する必要があります。相続人の都合による分配や贈与を前提とした売却は注意が必要です。

注意③ 共有名義を見落とさない

実家が父母の共有名義であれば、原則として共有者それぞれの権利について適切な意思表示や代理手続きが必要です。一方の親が判断できても、もう一方の持分を勝手に売れるわけではありません。

注意④ 後見制度や許可にかかる時間を見込む

買主や不動産会社と話が進んでも、家庭裁判所の手続きが終わらなければ決済に進めない場合があります。許可を前提とした契約方法や日程について、専門家と相談してください。

対策:判断能力が十分なうちに家族で話し合う

将来の実家売却に備え、本人が判断できるうちに任意後見契約や家族信託などを検討する方法があります。任意後見契約は公正証書で締結し、判断能力が不十分になった後に家庭裁判所が任意後見監督人を選任すると効力が生じます。家族信託も、本人に契約を結ぶ能力があるうちに適切に設計する必要があります。

すでに本人に契約能力がない場合、これらを後から自由に作って売却できるようにすることはできません。任意後見人の権限や家族信託の内容、税務などは制度ごとに違うため、個別の確認が必要です。

9.認知症の親の家の売却でよくある質問

Q.親が認知症と診断されたら、もう実家を売れませんか?

認知症の診断だけで一律に売却不可とはなりません。売買の意味を理解し判断できるかが重要です。判断能力が不十分な場合は、適切な支援制度・代理権を確認します。

Q.子どもが親の実印を持っていれば売却できますか?

できません。実印や印鑑証明書を預かっているだけでは売却権限は生じません。本人の有効な意思表示や適法な代理権が必要です。

Q.親が介護施設に入った後なら、家族で売れますか?

施設入居だけで家族に処分権限が移るわけではありません。法定後見人が売却する場合、施設入居前に住んでいた実家は居住用不動産として家庭裁判所の許可が必要となることがあります。

Q.成年後見人は必ず子どもがなれますか?

いいえ。家庭裁判所が選任するため、親族を候補者にしても専門職等が選ばれる場合があります。

Q.家庭裁判所の許可があれば必ず希望価格で売れますか?

許可は売却を認めるための手続きで、希望価格で買主が見つかる保証ではありません。査定価格の根拠や売却条件を十分に確認しましょう。

Q.成年後見制度を利用せず不動産会社に買い取ってもらえますか?

本人に意思能力があるなど、適法に売却できる場合は買取も検討できます。しかし、直接買取という理由だけで判断能力・代理権・必要な許可の問題がなくなるわけではありません。

Q.認知症の親の家を売却したお金は子どもが受け取れますか?

原則として売却代金は売主である親本人の財産です。後見人等が管理する場合も、本人の利益のために使う必要があります。

Q.名古屋・愛知の古い実家でも査定できますか?

築古住宅や空き家の売却方法を検討するための査定は相談できます。認知症に関する法的手続きは不動産査定とは別に確認が必要です。

10.まとめ|認知症の親の家は、売却前の手続き確認が大切

親が認知症になっても、実家の売却を検討することはできます。ただし、親本人が有効に売買契約を結べるかを確認し、必要に応じて成年後見制度などの利用を検討しなければなりません。

法定後見人が本人の居住用不動産を売る場合は、施設入居による空き家でも家庭裁判所の事前許可が必要になる点に注意しましょう。不動産会社への買取であっても、法的な手続きを省略することはできません。

売却を急いでから問題が発覚することのないよう、判断能力・登記名義・施設入居後の生活資金・売却価格を整理し、不動産会社と法律の専門家に早めに相談することが重要です。

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参考資料・関連法令

※本記事は一般的な制度と取引方法の解説です。個別の意思能力、代理権、居住用不動産該当性、売却の許可や税務は案件ごとに異なります。法的判断は弁護士・司法書士などの専門家や担当家庭裁判所にご確認ください。

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