居抜き売却は何ヶ月かかる?相談から引渡しまでの期間と流れを解説
飲食店や美容室、居酒屋、バーなどの店舗を閉店・移転するとき、 現在の内装や設備を次の借主へ引き継ぐ 「居抜き売却・造作譲渡」という方法があります。
その際によく聞かれるのが、
「居抜きで売るには、どれくらいの期間が必要ですか?」
という質問です。
結論からいうと、 店舗の立地や賃料、造作価格、貸主の承諾、買主候補の審査状況などによって変わりますが、 余裕を持って2~6か月程度を見て動く のがおすすめです。
条件が良く、すぐに買主候補が見つかれば1~2か月程度で進むこともありますが、 一方で、価格設定や賃貸条件によっては半年以上かかることもあります。
今回は、名古屋・愛知で店舗売却・居抜き売却を扱う株式会社サンコー不動産が、 相談から引渡しまでの流れと、 各段階でどのくらい時間がかかるのかを実務目線で解説します。
1.居抜き売却は何ヶ月かかる?
居抜き売却に必要な期間は店舗によって異なりますが、 一般的には、
ただし、 これは「必ずこの期間で売れる」という意味ではありません。
店舗によっては、
- 募集開始後すぐに買主候補が見つかる
- 同業種の出店希望者がすでにいる
- 賃料条件が良い
- 厨房設備が充実している
- 造作価格が適正
などの理由で、 比較的短期間で成約することもあります。
一方で、
- 造作価格が高い
- 賃料が相場より高い
- 業種制限が厳しい
- 設備が古い
- 後継テナントの審査が通らない
- 貸主との条件調整に時間がかかる
といった場合には、 数か月以上かかる可能性があります。
2.居抜き売却の全体の流れ
居抜き売却は、 単純に「設備を売って終わり」ではありません。
一般的には、 次のような流れで進みます。
3.STEP1|店舗売却の相談・査定
まずは、 現在の店舗が居抜きで売却できそうか確認します。
査定時に確認する主な内容は、
- 店舗所在地
- 店舗面積
- 現在の賃料・共益費
- 保証金等の賃貸条件
- 業態
- 内装状態
- 厨房設備・什器
- 設備の年式・所有関係
- 退去予定時期
- 解約通知の有無
などです。
ここで重要なのは、 単純に設備の購入価格だけで査定しないことです。
次の借主から見た、
「この物件を、この賃料・初期費用・造作価格で借りたいか」
という視点で考えます。
相談・査定自体は、 資料が揃っていれば比較的早く進められます。
4.STEP2|賃貸借契約書を確認する
居抜き売却を進める前に、 現在の賃貸借契約書を確認します。
特に確認したいのは、
- 解約予告期間
- 原状回復義務
- スケルトン返しの有無
- 造作物の扱い
- 賃借権譲渡・転貸禁止条項
- 中途解約条件
です。
例えば、 解約予告期間が6か月の場合、 退去期限をどこに設定するかによって 居抜き募集に使える期間も変わります。
5.STEP3|貸主・管理会社へ居抜き承諾を確認する
現在の借主が、 自分の判断だけで次の借主へ店舗を渡すことはできません。
通常は、 貸主・管理会社へ
「現在の内装・設備を残したまま、 後継テナント候補へ引き継ぐことが可能か」
を相談します。
貸主側が居抜き承継を認める場合でも、
- 次の業種
- 営業時間
- 法人・個人
- 保証会社
- 内装工事内容
- 契約条件
などについて条件が付く場合があります。
この段階で貸主との調整に時間がかかることもありますので、 早めに確認しておくことが大切です。
6.STEP4|造作価格・募集条件を決める
貸主との方向性が確認できたら、 造作譲渡価格を決めます。
価格を決めるときは、
- 内装状態
- 厨房設備の内容
- 設備年式
- 現在の賃料
- 店舗立地
- 周辺需要
- 次の借主の初期費用
- 退去期限までの期間
などを見ながら判断します。
高く設定しすぎると、 募集期間が長くなり、 結果として退去期限に間に合わなくなる可能性もあります。
7.STEP5|後継テナントを募集する
条件が決まったら、 次の借主候補を募集します。
居抜き売却では、 店舗の情報を分かりやすく見せることが重要です。
特に、
- 店舗外観
- 客席
- 厨房
- 厨房設備
- カウンター
- トイレ
- バックヤード
などの写真を用意すると、 買主候補がイメージしやすくなります。
また、 設備リストを作成し、
- 売主所有
- 貸主所有
- リース品
- レンタル品
を整理しておくと、 後のトラブルも防ぎやすくなります。
8.STEP6|内覧・条件交渉
問い合わせが入ると、 内覧を行います。
買主候補は、
- 厨房設備の状態
- 店舗導線
- 客席数
- 追加工事が必要か
- 設備がそのまま使えるか
- 造作価格が妥当か
などを確認します。
内覧後に、
「300万円なら難しいが200万円なら買いたい」
「この設備を含めてほしい」
「引渡し時期を調整してほしい」
といった条件交渉が入ることもあります。
ここで条件を柔軟に調整できるかどうかが、 成約スピードに大きく影響します。
9.STEP7|入居申込み・審査
造作条件がまとまっても、 すぐに売却確定ではありません。
次の借主候補は、 貸主・管理会社・保証会社などの 入居審査を受ける必要があります。
事業用店舗の場合、
- 申込者の属性
- 法人概要
- 事業内容
- 出店予定業態
- 資金計画
- 過去の店舗運営実績
- 保証会社審査
などが確認されます。
審査には数日で終わる場合もあれば、 資料追加などにより1~2週間以上かかることもあります。
10.STEP8|賃貸借契約・造作譲渡契約を締結する
審査承認後、 契約手続きへ進みます。
主に、
- 建物賃貸借契約
- 造作譲渡・動産売買契約
- 保証会社契約
- 火災保険
などの手続きを行います。
造作譲渡契約では、
- 売買代金
- 支払時期
- 引渡日
- 所有権移転時期
- 譲渡対象設備
- リース品等の除外
- 現況渡し
- 設備故障時の扱い
などを明確にしておくことが重要です。
11.STEP9|店舗・造作設備を引き渡す
契約締結後、 引渡日を迎えます。
引渡し時には、
- 設備一覧の確認
- 店舗内残置物の確認
- 鍵の引渡し
- リモコン・説明書等の引渡し
- 造作代金の精算
- 設備状態の写真記録
などを行います。
設備が多い店舗では、 写真や設備一覧を残しておくと、 後から
「この設備がなかった」
「これは対象外だと思っていた」
といった認識違いを防ぎやすくなります。
12.居抜き売却に時間がかかる7つの原因
売却期間が長くなる店舗には、 いくつか共通点があります。
① 造作価格が高すぎる
一番多いのが、 造作価格と買主側の評価が合わないケースです。
内装に1,000万円かけたからといって、 数年後も同じ割合で価値が残っているとは限りません。
② 賃料が高い
買主が支払うのは造作代金だけではありません。
毎月の賃料、 保証金、 礼金、 保証会社、 追加工事費なども含めて検討します。
そのため、 造作が良くても賃料が高いと、 申込みにつながりにくい場合があります。
③ 出店可能業種が限定されている
重飲食不可、 営業時間制限、 臭気・煙の強い業態不可など、 業種制限がある場合は買主候補が限られます。
④ 店舗設備が古い
厨房設備が多くても、 年式が古く故障リスクが高い場合、 買主から高く評価されないことがあります。
⑤ 写真・情報が少ない
厨房や設備内容が分からない物件は、 問い合わせにつながりにくくなります。
⑥ 貸主確認が遅い
買主候補が見つかってから 初めて居抜き承諾を確認すると、 条件調整に時間がかかることがあります。
⑦ 退去期限までの期間が短い
残り1か月など、 募集期間が短い場合は、 買主候補の選択肢そのものが少なくなります。
13.居抜き売却を早く進めるためにできること
居抜き売却をできるだけスムーズに進めるには、 次のポイントを意識します。
- 解約通知前から相談する
- 賃貸借契約書を早めに確認する
- 貸主・管理会社への確認を早めに行う
- 造作価格を現実的に設定する
- 厨房設備・内装の写真をしっかり用意する
- 設備リストを作成する
- リース品・貸主設備を整理する
- 価格交渉に一定の余地を持たせる
14.退去まで1か月しかない場合でも売れる?
退去までの期間が短くても、 居抜き売却できる可能性はあります。
ただし、
- 募集期間
- 内覧
- 条件交渉
- 申込み
- 審査
- 契約
までを短期間で進める必要があります。
そのため、 時間が少ない場合は、 希望価格にこだわりすぎず、 成約を優先する判断が必要になることもあります。
15.半年以上前から相談するのは早すぎる?
いいえ。 むしろ、 閉店・移転の可能性がある段階で 相談しておくメリットがあります。
早い段階であれば、
- 造作価格を高めから試せる
- 募集期間を長く確保できる
- 貸主との調整時間を取れる
- 複数の買主候補を比較できる
- 売れなかった場合の原状回復準備もできる
ため、 選択肢が増えます。
まだ閉店を正式に決めていなくても、
「この店は居抜きで売れそうか」
「いくらくらいの価値があるか」
だけ確認しておくこともできます。
16.居抜き売却の期間は「退去日から逆算」する
居抜き売却で重要なのは、
「いつ募集を始めるか」
ではなく、
「いつまでに成約しなければならないか」
を先に決めることです。
例えば、 退去日が6か月後なら、
5か月前 募集開始
4~3か月前 内覧・条件交渉
3~2か月前 申込み・審査
2~1か月前 契約
退去日前 引渡し
というように、 退去日から逆算して考えます。
こうすることで、 途中で買主候補が流れた場合にも、 次の候補者を探す時間を確保しやすくなります。
17.まとめ|居抜き売却は早めに動くほど選択肢が増える
居抜き売却にかかる期間は、 店舗条件や募集状況によって異なります。
目安としては、 相談から引渡しまで2~6か月程度 を見ながら、 退去日から逆算して動くのがおすすめです。
居抜き売却には、
- 査定
- 契約確認
- 貸主承諾
- 募集
- 内覧
- 条件交渉
- 入居審査
- 契約
- 引渡し
という複数の工程があります。
そのため、 退去直前になってから動くよりも、 早めに相談しておいた方が、 価格面でも時間面でも選択肢を残しやすくなります。
退去期限が決まっていなくても、店舗査定できます
株式会社サンコー不動産では、 名古屋市・愛知県を中心に、 店舗売却・居抜き売却・造作譲渡のご相談を承っています。
「閉店まであと3か月しかない」
「半年後に移転予定」
「まだ閉店するか迷っている」
「この店舗なら何ヶ月くらいで売れそう?」
「造作はいくらくらいで売れそう?」
という段階でもご相談いただけます。
現在の賃貸条件、店舗設備、立地、退去予定時期などを確認し、 売却期間も含めて現実的な進め方をご提案いたします。
店舗売却・居抜き売却を無料で相談するよくある質問
Q.居抜き売却は平均何ヶ月くらいかかりますか?
店舗条件によって異なりますが、相談から引渡しまで2~6か月程度を目安として考えておくと進めやすいです。 条件が良ければ1~2か月程度で進むこともありますが、必ずその期間で成約するとは限りません。
Q.退去まで1か月でも居抜き売却できますか?
可能性はあります。ただし、募集、内覧、申込み、審査、契約までを短期間で進める必要があるため、価格や条件を柔軟に調整する必要が出る場合があります。
Q.まだ解約通知を出していなくても相談できますか?
可能です。むしろ解約通知を出す前に居抜き売却の可能性や退去スケジュールを確認しておくことで、募集期間を確保しやすくなります。
Q.買主が見つかったらすぐ売却できますか?
買主候補が見つかっても、貸主・管理会社等による入居審査や契約手続きがあります。造作条件の合意だけでなく、賃貸借契約が成立することが必要です。
Q.造作価格を安くすれば早く売れますか?
価格は重要な要素ですが、それだけではありません。賃料、保証金、業種制限、設備状態、立地、買主の初期費用総額なども成約スピードに影響します。
Q.半年以上前から募集してもいいですか?
貸主との調整や現在の営業状況によりますが、早めに相談しておくこと自体は問題ありません。募集時期については営業への影響や退去予定日を踏まえて決めるのがおすすめです。